IPO －資産管理会社の使い方
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
IPO にあたって、創業者（オーナー）が資産管理会社を作り、そこに自ら保有する株式の一部を移動させて上場するという話を耳にします。2021年の例を見ますと、全新規上場会社のうちの40%超にあたる55社が資産管理会社を作って新規上場しました。はたしてこの資産管理会社、どのようなメリットがあるのでしょうか。
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
個人の所得税・住民税は累進課税ですから、約5%～50%の間の税率です。会社であれば法人税・住民税・事業税が23～30%程度かかります。つまり、高収入の方ほど個人の税金の方が高くなるということですね。
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
相続の際にも税金は掛かりますが、オーナー経営者には株式はあっても、意外と現金は持っていないものです。なに、株式の一部を売却して工面すればいいじゃないかと思うかもしれませんが、一部といってもそれなりの株数になることが多く、株主構成の乱れや売却に伴う株価の下落などへの影響が懸念されます。
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
設立手順は、定款の作成・認証、資本金の払い込み、登記申請書類の準備、設立登記です。
資産管理会社特有の事項としては、まず、定款の作成においては、会社が営むことのできる事業について、「有価証券の投資」、「不動産の売買、仲介、斡旋、賃貸及び管理」などとすればよいでしょう。
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
資産管理会社の設立が完了したら、次は創業者自身が個人で保有している株式を資産管理会社に移す必要があります。「移す」といっても、単に名義を書き換えるわけではなく、税務上は、個人から資産管理会社への株式の「売却」の扱いになります。
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
資産管理会社への株式の譲渡金額はどうやって算定するのでしょうか。移管を上場後に行うのであれば、すでに株価が付いていますので、この金額が基礎になりますが、上場前だと、定価がありませんので、別途算定する必要があります。
IPO －資産管理会社の使い方 · 2023/06/01
これまでお話ししてきたとおり、なるべく多くの株式を移管した方が、相続税対策とその後の安定株主対策には効果的です。いっぽうで、それには多額の納税資金が必要で、そのための借入金額も膨らんでしまいます。
こうでなければならないという決まりはありませんので、ご自身の資金繰りと資金調達余力を勘案して決めるしかないでしょう。