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その4 社外役員の待遇は?

上場企業の平均は600万円

上場会社における社外役員の平均年棒は600万円程度と言われています。ただあくまでもこれば単純平均であって、中央値ではありません。実際には300万円未満の大きな層と、1,000万円を超える一部の層から構成されます。

 

1,000万円超クラスの役員は、弁護士、公認会計士、大学教授、他社の社長経験者等です。いっぽう、新興市場の上場会社では少しずつ値上がりしているとはいえ、まだまだ300万円未満が多いようです。したがって、上場準備企業の場合にも、このあたりを目安に交渉することになるでしょう。ただ、最近は、弁護士、公認会計士などの有資格者などを中心に、役員就任のオファーが増えていますので、どうしても報酬相場は上がりがちです。あまり安い提示では来てくれないこともあるでしょう。

 

狙い目は兼業者

狙い目は、ほかに収入源がある方や、時間的にもともとフルタイムを予定していない兼業の方です。例えば、独立開業している税理士でメインの収入が別途ある方とか、育児中の女性の方とかは交渉がしやすいかもしれません。最近は大手企業の中にも兼業を解禁する例が出始めています。

 

ちなみに、現役の企業経営者などは無報酬で受けるケースもあります。社会貢献というか、ベンチャー支援の意識が高い方などに多いですが、上場審査上特に問題となることではありません。

 

ストックオプションや役員賠償保険

また、金銭報酬に限りがある場合には、ストックオプションを併用する手もあります。非執行役員にはストックオプションは認められないという都市伝説がありますが、企業価値を高める目的を持った同じ役員ですから、しっかりと説明すれば、何も問題はありません。

 

  リンク:ストックオプションは誰に付与する?

 

このほか、役員就任を承諾するにあたって、役員賠償保険に加入しているかどうかを気にされる方もいます。これは、株主代表訴訟等で役員場賠償責任を負った際の損害保険を会社が保険料を負担して加入するものです。保険金額にもよりますが、年間数十万円の保険料で一般的な水準はカバーできますので、検討の価値はあります。