その1 主幹事証券会社はなぜ必要?

主幹事証券会社とは

日本において、上場にあたっては、必ず幹事証券会社が必要です。上場する先は東京証券取引所などの金融商品取引所ですが、「証券会社の推薦をもって」上場を受け付けるというスタンスだからです。

 

先に証券会社が審査する

上場を希望する企業は世の中にたくさんありますが、何でもかんでも受け付けていては証券取引所がパンクしてしまいます。そこで証券会社にスクリーニングをしてもらって推薦するという形になっているのです。それが証券審査と呼ばれるもので、証券会社としても審査にパスできるように、別部門が付きっきりでコンサルティングを行います。証券会社により審査にパスし、正式に上場申請したのちには、証券取引所自身も審査を行います。

 

日本では上場とファイナンスがセット

日本ではという書き方をしましたが、日本の場合には、「上場」すなわち証券取引所に登録をするということと 、「IPO」 すなわち市場で資金調達(ファイナンス)をするということがセットになっているからなのです。

アメリカなど海外の多くの国では上場とファイナンスは区別して考えますが、日本の場合にはこれが原則として同時に行われるため、ファイナンスを担う証券会社が上場についての重要な役割を持っているのです。

 

シンジケート団

幹事証券会社は、証券取引所への推薦業務のほかに、上場時のファイナンスすなわち株式の引受けを行います。通常、幹事証券会社は複数の証券会社から構成されます。これを幹事証券団とかシンジケート団(シ団)といい、この中で中心的な役割を担うのが主幹事証券会社です。