主幹事証券会社ができるのは十数社
日本中に証券会社はたくさんあります。2023年3月時点で273社が日本証券業協会に登録されています。しかし、どの証券会社でもよいかというとそうではありません。
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/kaiinsu.html
証券会社の中に上場の引受部門や引受審査部門を持っている証券会社でなければ主幹事証券会社にはなれません。2022年のIPO主幹事ランキングベスト5は、SMBC日興、みずほ、大和、SBI、野村でした。これ以外にも外資系や中堅証券会社など他にも4社が主幹事を行いましたが、実質主幹事ができるのは10数社程度と思ってよいでしょう。
大手か、中堅か
どの証券会社が良いのかはなかなか難しい問題です。大手であればたくさんのノウハウや事例を持っていますし、人材も豊富です。そのため多くの上場希望会社が殺到しますので、順番待ちになってしまうこともあります。中堅証券会社であれば比較的案件も少ないので親身になってサポートしてくれることもあるでしょう。どの証券会社であってもどんな担当者かによって会社との相性も違ってくるでしょう。
一度主幹事証券会社を決めたらそう簡単に替えることはできません。替えてしまうとその分スケジュールが延びるだけでなく、どうして交代したのかということが取引所審査において必ず論点になります。
少し先のことまで考えよう
証券会社の選択にあたっては上場準備期間中のことだけではなく、上場後もファイナンスやIRなどの面でのサポートを期待されますので、総合的に判断することも大切です。新規上場企業にはどれも初めてのことばかりであり、難しい問題だからです。
証券会社によって証券審査が厳しい、緩いといった話はよく聞こえてきます。実際に多少の差はあるように思います。しかし最終的にパスする必要があるのは証券取引所の審査です。証券審査が厳しければその分証券取引所審査はスムーズに通過できますが、証券審査が緩ければその分取引所審査で苦労するかもしれません。
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