その2 いつ頃監査法人に依頼するか

監査の対象期間

上場前2期間の監査が必要なことはよく知られていますが、2期間というのは期末の決算のことだけではありません。決算書は期末の貸借対照表だけではなく、年度の初日から期末に向かっての損益計算書やキャッシュフローも監査の対象になります。またその決算書が作られる過程における内部統制についても検討対象になります。

 

遡及監査はない

従って、過去の決算書を事後的に遡及して監査することはなく、期首時点の少なくとも一つ前の年度から監査に関わってもらう必要があります。

また、上場申請にあたっては、適正意見が必要です。不適正意見をもらっても何の意味もありませんので、適正意見がもらえるような経理決算体制ができたタイミングで監査を依頼することになります。

 

監査に入る前の準備が必要

通常、監査に入る前にはショートレビューや予備調査という名前で監査に耐えられる体制になっているか、上場に向かっての課題は何か、といった観点で短期的な調査が行われます。その上ですぐに監査に入れないような場合には、コンサルティング契約やアドバイザリー契約を締結して体制づくりのサポートを受けることもできます。このサポートの期間によって上場までのスケジュールが大きく左右されます。