市場による申請書類の違いを整理するチャンス
上場申請書類その1-こんなにたくさんでもご紹介のとおり、上場申請する市場により用意する書類が少しずつ異なっています。
もともと初めから存在していた本則市場での申請書類に加え、1999年にマザーズ市場が創設された際に、マザーズ用の申請書類が用意されました。実はマザーズ創設当初はかっちりとした申請書類は指定されていなかったと記憶していますが、その後の変遷を経て「各種説明資料」が出来ました。
また、2013年に東京証券取引所が大阪証券取引所と統合した際に、ジャスダックの申請書類の様式が加わってしまい、市場ごとの必要書類が大きく異なっていました。
このような状況が長らく続いてきましたが、2022年の市場再編は、申請書類のあり方を整理するうえでも絶好のチャンスとなりました。
「事業計画及び成長可能性に関する事項」
市場再編に伴い、グロース市場で提出が求められる「事業計画及び成長可能性に関する事項」の書類については、既に先行して旧マザーズ上場申請会社から提出が義務付けられています。これまで旧マザーズへの新規上場申請時には「成長可能性に関する資料」というものが提出され開示されていましたが、これに代わるものとなります。旧JASDAQスタンダード についてはこれまで中期経営計画の提出が必要でしたがこの改訂にあわせて開示資料としての提出は行われなくなっています。
Ⅱの部の扱いが整理された
これまで本則市場とマザーズ 、JASDAQごとに微妙に異なっていた申請書類についても、改めて整理が行われました。最も大きな違いは上場申請のための有価証券報告書(Ⅱの部)です。以前は、本則市場ではこのⅡの部が提出書類になりますが、マザーズにおいては各種説明資料、JASDAQにおいてはJQレポートと呼ばれるもので記載内容も若干異なっていました。
市場再編後は、JQレポートがなくなり、スタンダード市場とプライム市場についてはⅡの部、グロース市場については各種説明資料が求められるという形に整理されました。
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