その5 何を訊かれるのか?

証券質問で取り上げられていればラッキーだが・・・

質問の内容が証券会社審査ですでに取り上げられたものであればラッキーです。その際の回答を流用すれば良いでしょう。しかし、なかなかそううまくはいかないのが世の常です。

東証の質問はリスクアプローチによっています。従って証券会社審査で話題に上がったことを改めて網羅的に舐めるというようなことはせず、むしろ証券会社審査で対象になっていないような項目や、特に関心の高いテーマについて集中的に訊いてきます。そのため、必ずしも証券質問とは合致しないということになるのです。

 

回答書の提出から1~2日後に対面ヒアリング

質問書の回答に基づいて、対面でのヒアリングが行われます。

2010年代の前半までは、ヒアリングは半ば儀式だったのですが、現在はとても厳格に運用されています。担当官にもよりますが、1回のヒアリングにつき、数時間から半日程度かけて行われます。文書で提出した回答書の内容をなぞりながらより詳しく訊いていきます。

3名程度の担当審査官に対して、会社側からも3名程度の回答者が出席します。2020年以降のコロナ禍の中では、出席人数の制限やWeb形式でのヒアリングなども導入されているようです。

質問内容に的確に答えられる精鋭を揃えなければならないので、特に東証に出向いてヒアリングが行われる場合には注意が必要です。

 

間髪を入れずに2回目に突入

第1回目のヒアリングが終わった1~2日後には、第2回の質問が早くも提示されます。

2回目の質問項目は内部管理体制についてですが、大抵1回目の積み残しや宿題があるので、これも追加されます。2回目についても同じようなスケジュールで質問提示の1週間後には文書による回答、そしてその直後には対面でのヒアリングという流れになります。以降、第3回目も同様のスケジュールになります。

このあたりのスケジュールは、東証が発行している新規上場ハンドブックの中に明確なスケジュールとして記載されていますので、それを参考にしてください。