上場できる会社と上場すべき会社は違う
上場ができる会社と上場をすべき会社とは異なります。
一定の上場形式基準を満たしている会社で、かつ審査上の実質基準をクリアすれば基本的に上場は可能です。しかし上場基準スレスレの会社では、そのためのコストの方が上回ってしまい、差引の上場メリットはマイナスになってしまいます。では、どこがボーダーラインなのでしょうか。
上場できる会社
上場できるかどうかという点については、証券取引所が定める一定の上場形式基準があります。しかしその基準を満たすためには、業績を上げ、管理体制を整えるための様々なコストをかけ、その上で基準を満たしていることが必要になりますので、当然ある程度の体力が必要になってきます。新興市場をはじめ上場のバーが低くなってきているとはいえ、役所に届け出れば簡単に上場ができるというようなものでは全くありません。
上場すべき会社と上場せざるを得ない会社
次に上場すべき会社とはどんな会社でしょうか。端的に言えば上場して信用力を付け、資金調達を行うといった上場のメリットを享受することで、より会社が成長できる会社、これが上場すべき会社ということになります。
似たような概念で、上場せざるを得ない会社というものあります。株主側からの見方が重要です。未上場の間に特定の株主から出資を受けるケースがあります。ベンチャーキャピタル(VC)などがその代表例です。VCはその会社に出資をすることで会社を成長させ、その後出資相当分を他に売却することで、キャピタルゲインを得るというビジネスです。
したがって、VCが株主に入ってる会社は、上場もしくはバイアウトのいずれかの形でVCに資金を回収させてあげなければなりません。これを EXIT(出口)と言いますが、このようなケースでは上場せざるを得ないという選択肢が生まれます。
また VC などが入っていない場合であっても、オーナー経営者の事業承継に関して、上場すべき或いは上場した方が得策というケースは考えられます。自分の子供に事業を継がせる場合はもちろん、子供がおらず他人に事業を承継させなければならないような場合には株式の相続や譲渡にあたって、株式上場を行うことが得策になるというケースはたくさん見られます。
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