取引先企業も安定株主候補
得意先や仕入先など取引先企業や、顧問やコンサルタントなど会社の協力者も安定株主の候補です。特に関係会社に該当しない範囲(持株比率30%未満)で、大手企業が上位株主に入っていると、安心感もあって上場後の株価が安定しやすく、機関投資家も入りやすくなります。ただし近年上場会社においては株式の持ち合いは解消方向にありますので、簡単には保有してくれないかもしれません。
ベンチャーキャピタル(VC)は安定株主ではない
ベンチャーキャピタルは、上場前に出資をしてくれるありがたい株主です。一方で、上場によってキャピタルゲインを得ることが商売ですので、安定株主にはなりません。ただ売却時期については交渉の余地があり、上場後すぐに売却してしまうのか、あるいは1~2年持ってもらうのか、その辺りの考え方については早めにすり合わせておくのが良いでしょう。
機関投資家に保有してもらう
上場後の安定株主としては、何と言っても機関投資家です。機関投資家は中長期的な目線で株主になってくれますので、上場後の適切な IR を通じて、資金力のある機関投資家、特に海外の機関投資家や年金基金など長期目線で投資を行うような投資家に保有してもらうのが理想です。
新興市場だと難しい
もっとも、グロース市場などの新興市場に上場する会社にあっては、よほど有名な銘柄でない限り、上場後1年ぐらいは持ってもらえないかもしれません。というのは、機関投資家は、ある程度株価が安定し、時価総額も数百億円以上あるような銘柄で、かつ上場後の成長可能性が確実に見えるタイミングを待っているのです。
上場時に主幹事証券会社がいくつかの機関投資家に株式を配分するでしょうが、このタイミングの機関投資家は、短期で売り抜けてしまうことがほとんどです。
その後の地道な IR 活動と将来の安定的な成長をアピールすることで安定株主たる機関投資家の参加を増やすことができると思います。焦らず頑張っていきましょう。
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