その1 信頼される会社であるために

信用力を高めるための方策

上場準備において、もっとも時間がかかるのが、内部管理体制の整備です。それまでは実業優先、管理は二の次としてきた会社も多いと思います(まあ、当然ですよね。)。しかし、上場企業たるもの、不特定多数の人たちに株を買ってもらう以上、その信用力を高めるためにも、組織的な経営が求められます。

 

どんな領域があるか

組織的な経営のための体制整備には、企業会計の導入、諸規程や内部統制の整備、情報システムの導入、内部監査の導入、事業計画のもととなる利益管理体制の整備、ガバナンス体制の構築 、JーSOXへの対応、コンプライアンスの維持といったものがあります。

次ページ以降で、大きな領域ごとに順番に見ていきましょう。

 

サポートしてくれる人たち

上場会社となる以上、最終的には全ての管理体制を社内に構築する必要があります。しかし、はじめからすべてを自力で整えられるかというと、ノウハウの面からも、人手の面からも、なかなか難しいものがあります。

上場直前々期(N-2期)あたりからは、主幹事証券会社の公開引受部がコンサルティング業務の一環として指南してくれますが、整備すべき項目の多くは、もっと時間をかけ、早い段階から準備を始める必要があります。

これまでに付き合いのある顧問税理士等に加え、あらたに他の士業(弁護士や公認会計士など)やコンサルティング会社などにサポートしてもらいつつ、内部人材を充実させていくことになります。