ロードショーは自社の株を買ってもらうためのプレゼン
前述のとおり、上場審査が終わり上場承認が出てから、実際の上場まで1ヶ月あるわけですが、その期間を利用して、社長自らが機関投資家を回って事業内容の説明を行います。これをロードショーといいます。
最近は Web 会議を通じて行うケースも多くなったので、ちょっと様相が変わりましたが、短い期間の間に集中的に数十社もの機関投資家を回って、当社の株式を買ってもらえるようプレゼンしに歩くわけです。
どうやってプレゼンするか
最近はパワーポイントのカラフルな資料を用意して、会社の概要や今後の成長戦略について説明することがほとんどです。新興市場上場の開示資料においても、事業計画及び成長可能性に関する事項を開示することになっていますので、概ね同一の内容でプレゼンを行うことが多いようです。
しかし、新規上場をする側にとっては初めての経験です。特にロードショーは社長が中心となってプレゼンを行います。ファイナンス経験に長けたCFOが同行することも認められていますが、やはり社長の口から直接話を聞きたいという機関投資家がほとんどですので、プレゼン慣れしていなくても、なるべく自分の言葉で誠意をもって話をするしかないでしょう。
ロードショーにおけるプレゼンは1社あたり40分程度です。前後の段取りや挨拶を除けば正味30分程度しかありませんので、いかに効率よくアピールするかというところがポイントになります。説明の際に利用した資料は原則として回収します。特定の投資家にだけ特定の情報を与えないように、想定問答も考えておくと良いでしょう。
自社の株式を買ってもらうということ
上場後は、いく度となく IR 会社説明の機会がありますが、IPOはその最初の第一歩です。いかに会社の魅力を伝え、株式を買いたいなと思ってもらえるようなプレゼンをするか重要です。
投資家にとって、その会社の株式を買うかどうかは、その後の企業成長にかかっています。特に、機関投資家にとっての選択要因は、安定よりも成長です。いかに将来の成長余力があるかということをアピールします。
社長は会社のトップセールスマン
会社の営業部長は商品やサービスを拡販します。それに対して、社長は会社そのものを拡販します。会社を売る(=株式を買ってもらう)→資金調達が出来る→投資に回す→成長する→より高く会社を売る→多くの資金調達ができる→次の投資に回す→より高く成長する、というサイクルをぐるぐる回していくわけです。
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