監査役会設置会社
では、各形態を順に見ていきましょう。まずは基本形の監査役会設置会社です。
マネジメント型統治の代表例である監査役会設置会社は、業務執行の意思決定は取締役会で行い、それが適法かどうかを監督するのが監査役会という役割分担になっています。伝統的な日本企業はこの形態によっており、現在の上場企業の7割弱程度はこの形を採用しています。
監査役に議決権はない
取締役会への出席はできますが議決権はなく、また監査の主目的が適法監査中心になっているため妥当性監査の側面が弱くなってしまう結果、監査役会の力が取締役会に比べると弱いという関係になりがちです。その代わり、監査役の任期は4年であり、常勤監査役は必須とされています。
指名委員会等設置会社
モニタリング型統治の最右翼である指名委員会等設置会社は、取締役会の権限を最重要経営課題のみに削ぎ落とし、業務執行は執行役又は執行役員に委譲した形態です。なお、執行役は会社法上の会社機関、執行役員は任意の役職で、それぞれ取締役との兼任が可能です。
取締役会の構成は、執行取締役(執行役又は執行役員を兼務する取締役)と、非業務執行取締役(社外取締役を含む)からなり、最小限の基本構成は代表取締役+複数の社外取締役となります。
大企業向け
指名委員会等設置会社において、非業務執行の社外取締役は、指名委員会・報酬委員会・監査委員会のいずれか、もしくは重複した委員の立場を併せ持ちます。この3つの委員会が取締役の指名や報酬決定、監査を担うという構造になっています。
取締役会の権限は経営基本方針と人事、役員報酬といった大局的な論点に限られます。個別の業務執行意思決定は取締役会から経営会議等に委譲されます。
業務執行の適法性と妥当性を社外取締役を中心に構成される取締役会が監督します。
常勤監査委員は必須ではありませんが、補助者は必須とされています。取締役の任期は各委員を含めて全て1年です。社外取締役の人数要件が厳しいため、大企業以外では採用が難しく、現在上場会社の2~3%程度が採用しています。
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