個人事務所の経理実務
公認会計士や税理士の皆さんであればお手の物だと思いますが、他の士業の皆さんですと事務所の経理をどうするか 悩まれるかもしれません。
気にしなければいけないのが 確定申告です。 制度上は特に日頃の経理処理を行わなくても、年に一度 預金通帳と領収書の束をもとに 確定申告書が作成できればそれで構いません。
しかし、複式簿記によるきちんとした帳簿をつけることで、「青色申告事業者」に認定され、税務上の多くの特典が得られますので、このチャンスを逃すべきではありません。事務所の運営にとっても損益の管理や資金の管理 といったことができるようになります。
開業当初の頃はそれほど 事業のボリュームも多くないでしょうから、会計事務所に依頼するほどのことでもないかもしれません。その場合には、是非ご自身で記帳をされることをおすすめします。
個人事務所の会計ソフト
安価な会計ソフト や クラウド型の経理サービスが世の中にはたくさんあります。 最も多く使われているのが「弥生会計」で、インストール型のものとクラウド型のものがあります。 クラウド型が最近の主流ですが、ほかにもマネーフォワードやフリー といった会計ソフトもよく使われています。 より安価なものや 無料で使えるソフトなどもありますが、使い勝手とお値段を比べて気に入ったものを使えまよいでしょう。事務所の規模拡大に合わせてグレードアップしてゆけば良いと思います。
青色申告事業者になるための帳簿要件も詳しく定められていますが、士業の事務所運営においては、総勘定元帳と仕訳帳 ぐらいがあれば要件は満たせると思いますので、 多少なりとも 会計の知識や エクセルが得意であれば自分で簡単な帳簿を作っても良いかもしれません。
青色申告事業者についての詳細はこちらをご覧ください。
帳簿の電子化
税務の DX 化はかなり進んでいます。様々な お役所の中でもかなり進んでいる方ではないでしょうか。少し前までは 税務関係の書類は全て 紙で 7年間 保管せよとなっていました。 現在でも7年間の保存期間は変わっていないものの、電子データでの保存が原則になっていますので、物理的な保管スペースは要らなくなりました。
会計帳簿についても電子的なデータで保存してあれば OK です。 領収書や請求書といった 帳票類も 電子データで受け渡しすれば良いですし、紙のものであれば それをスキャンして PDF ファイルとして保存すれば OK です。
個人事務所の決算書
個人事務所の決算書と企業の決算書は異なります。企業の貸借対照表や損益計算書に見慣れた方々にとっては、違和感があるかもしれません。
個人事務所の場合には 個人事業主としての所得税計算のための青色申告決算書を作ることを目的にしていますので、この1年どれだけ儲かったのか、とか、事務所の財産や債務がどれだけあるのか、といったことは分かりづらくなっています。
そのため、企業会計と同様の決算書を作るケースもあろうかと思いますが 、青色申告を目的とした会計ソフトだと対応が難しい可能性もあります。
個人の財布と事務所の財布はどう分ける
企業であれば 、個人の財布と会社の財布は明確に分けなければなりません。しかし 個人事業の場合には 必ずしも分けなければならないという決まりはありません。 むしろ そこが個人事業主のメリットの一つです。財布は1つだけですから、個人事業としての収入や支出は 個人の財布からの貸し借り という考え方をします。 個人事業会計の勘定科目の中に、「事業主借」とか「事業主貸」 というものを見たことがあるかもしれませんが、 これが まさしく そうです。
財布が一緒ですので、 預金通帳も必ずしも分けなくて問題ありません。 今まで使っていた 個人の普通預金口座を使ってお金の出し入れをして差し支えありません。
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